教育/人的資本経営
企業・組織の成長と競争力の向上には、優れた人材の採用と、その人材の能力を引き出し育てることが不可欠です。成長のないところには、成功もありません。そして、その力を持続的に最大限に発揮するためには、心身の健康と、安心して働ける良好な人間関係が大前提となります。
人的資本経営
人的資本経営とは、人材を「コスト(人的資源)」ではなく「投資によって価値が増える資本(人的資本)」と捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。
従来の人事管理との違い
| 人的資源(従来) | 人的資本 | |
|---|---|---|
| 位置づけ | 消費されるコスト | investmentで増える資本 |
| 主眼 | 労務管理・効率化 | 価値創造・成長 |
| 主体 | 人事部門中心 | 経営戦略と一体 |
最大のポイントは、経営戦略と人材戦略を連動させるという点です。「どんな事業をやりたいか」から逆算して「どんな人材ポートフォリオが必要か」を describe し、現状(As is)とのギャップを埋めていく発想になります。
注目される背景
- 企業価値に占める無形資産の比重の上昇(米国では時価総額の大半が無形資産とされる)
- ESG投資の拡大で、投資家が人材への取り組みを評価対象にし始めた
- 労働市場の流動化、少子高齢化による人材獲得競争
- 経済産業省の「人材版伊藤レポート」(2020年)、同2.0(2022年)による政策的な後押し
制度面の動き
日本では2023年3月期の有価証券報告書から、上場企業等に人的資本の情報開示が義務化されました。具体的には、女性管理職比率・男性育休取得率・男女間賃金差異の3指標に加え、「人材育成方針」「社内環境整備方針」とそれに紐づく指標・目標の記載が求められます。国際的には人的資本開示のガイドラインである ISO 30414(11領域58指標)が参照されることも多いです。
実践のフレーム(3P・5Fモデル)
伊藤レポート2.0が示した枠組みで、3つの視点(経営戦略との連動/As is-To beギャップの定量把握/企業文化への定着)と、5つの共通要素(動的な人材ポートフォリオ、知・経験のD&I、リスキリング、従業員エンゲージメント、働き方の柔軟性)から構成されます。
よくある落とし穴
開示義務があるため、「数値を出すこと自体が目的化」しやすい点が指摘されています。指標が自社の戦略と結びついていなければ、投資家からは「横並びの数字」としか見られません。自社の価値創造ストーリーの中で、なぜその指標を追うのかを説明できるかが実質的な分かれ目になります。
健康経営の認定支援
企業の健康経営を支援することで、企業の成長と発展に貢献します。健康経営は、企業の持続的な成長を実現するために欠かせない要素です。従業員の健康状態が改善することで、生産性やモチベーションの向上が期待でき、企業の競争力強化につながります。
また、ハラスメントや長時間労働などの課題を解決することで、従業員の働きやすさが向上します。従業員が働きやすい環境を整えることで、企業の魅力が高まり、優秀な人材の確保につながります。
職業人として、企業の健康経営を総合的に支援し、本気で本物の価値を提供致します。そして、企業の健康経営を成功に導くことで、企業とともに戦います。 銀の認定の取得の概要は、 Dr.Ridente株式会社 健康経営認定
1.健康経営認定に向けてのヒアリングとコンサルティング ヒアリングを通して、現状の課題を明らかにするとともに、アンケート等を通して顕在化していない課題も抽出します。
2.従業員の健康状態の把握と改善
健康診断やストレスチェックなどのデータを活用して、従業員の健康状態を正確に把握します。また、健康増進セミナーや健康相談会などのプログラムを実施して、従業員の健康状態を改善します。
3.ハラスメント対策と長時間労働対策の実施
ハラスメント防止規程の策定や研修の実施、長時間労働の削減に向けた取り組みなどを通じて、ハラスメント対策と長時間労働対策を実施します。
4.健康増進のための各種セミナー
成長への欲求を活かすこと
<マズローの欲求の5段階>を聞いたことがある方はおられることと思います。でも、聞いたことがあることと、活用できることは違う場合も多いものです。マズローの欲求の5段階は、「人は、自己実現に向かって絶えず成長する」という仮説を基に、<成長への欲求>を理論化したものです(図)。
最下層は、生理的欲求で、食事や睡眠等で、生命維持のための欲求とも言えます。何日も食事が取れなかったり、睡眠が分断され続けたりすると、生命維持にも影響してしまいます。
安全の欲求は、経済的安定、健康の安定です。経済的な心配、病気や事故の心配がないセーフティネットへの欲求でもあります。お金や健康の心配があると人生を楽しめなくなってしまいます。
社会的欲求は、愛の欲求とも呼ばれ、誰かの役に立ちたい、仲間を得たい、コミュニティに所属したいという欲求です。孤独で、どこにも所属できない状況になると、健康な感覚は失われてしまいます。
承認・尊重の欲求は、他者や集団に受け入れてもらいたいという欲求です。そして、この承認の欲求は、他者からの承認だけでなく、自分自身に対する承認の欲求とも関連します。すなわち、他者と上手く行っているかどうか、自分と上手く行っているかどうか、自分もOK、他者もOKと言えるかどうかです。自己承認は、自己肯定感とも言えます。
自己実現の欲求は、その人の本来持つ潜在的な能力、可能性を発揮したいという欲求です。忙しいけれど、成長出来ている実感がない、という方の場合、この自己実現の欲求に課題を抱えている可能性があります。
最上層の自己超越は、自我のとらわれが無くなった、無我の状態、心の平安、マインドフルネスと呼ばれる状態です。
マズローの欲求の、安全の欲求、社会的欲求、承認・尊重の欲求、自己実現の欲求には、全て対人関係が関わってきます。安全の欲求についていえば、経済的な問題が起きたり、病気になったりすると、家族や職場の人との関係にも影響してきます。社会的欲求については、職場でコミュニケーションがうまくいかないと、疎外感、孤独感が強くなるでしょう。承認・尊重の欲求については、強過ぎる場合、対人関係に支障を来してしまいます。自己実現については、(天才とされる人でもない限り)一般的に一人で自己実現を達成出来るものでもなく、誰かの助力があってなされるものです。
精神科医の役割は、不調に陥った方への援助はもちろんのこと、病気の予防や健康の保持・増進、さらには、その人の能力と幸せの最大化に貢献することだと思っています。そのためには、一人ひとりの価値観、その人が大事に思っているものを尊重し、成長への欲求が満たされるようにすることだと思います。自分の価値観、相手の価値観、職場で共有する価値観の共有部分を最大にする方法を、企業経営者の方や社員さんの方々との話し合う時間は、喜び溢れる豊かな時間です。“仕事を通してどれだけ成長できるか” 働く皆様が、仕事を通して、職業人としても、人としても、成長し自己実現し、素晴らしく豊かな人生を送れるよう、誠心誠意、応援致します。